第29回JTF翻訳祭 2019
2019年10月24日(木)
神奈川県横浜市(パシフィコ横浜) 会議センター
2019年10月24日(木)
神奈川県横浜市(パシフィコ横浜) 会議センター
2019年10月24日(木)
開場 9:00
・セッション : 9:30~17:50
・企業・団体展示: 9:00~17:00
・交流パーティ :18:00~20:00
パシフィコ横浜
交通アクセス
新たなる時代の幕開け
~言葉のスペシャリストたちの新しい船出~
安達 久博 (JTF理事、株式会社サン・フレア)
(2019年9月30日(月)まで)
JTF会員:5,000円+消費税
翻訳学校(※):5,000円+消費税
非会員:10,000円+消費税
交流パーティー(一律):7,000円+消費税
(2019年10月1日(火)から)
JTF会員:10,000円+消費税
翻訳学校(※):10,000円+消費税
非会員:15,000円+消費税
交流パーティー(一律):7,000円+消費税
※JTF翻訳学校優遇制度適用校のみ
公募は締め切りました。
スポンサーの募集は締め切りました。
2019年7月1日(月)開始
2019年9月30日(月)まで
※登壇者が二人以上の場合は五十音順で掲載されています。
※登壇時刻のみが確定しています。各セッション会場、ランチョンセミナー会場は後日ご案内します。
9:30-11:00
質を守る翻訳者の工夫~原稿受領の時点から
11:30-13:00
JTF翻訳品質評価ガイドラインの基本
13:10-14:10
ランチョンセミナー
14:20-15:50
ISO17100に基づく認証制度の活用について
16:20-17:50
「等価である」とは?英訳で考えてみよう
9:30-11:00
アジャイル開発時代の翻訳プロセス
11:30-13:00
目指すは「三方よし」!
※ランチョンセミナーの会場は未定です。
14:20-15:50
UI翻訳は何が違うのか?
16:20-17:50
玄人な関係を築くための本音トーク90分
9:30-11:00
産業字幕翻訳の可能性
11:30-13:00
英文開示義務化の時代がやってくる
14:20-15:50
英文契約書の取り扱い説明書
16:20-17:50
モノを売るマーケティング翻訳
9:30-11:00
ISO通訳規格の動向と遠隔同時通訳機材事例
11:30-13:00
翻訳者の通訳デビューに欠かせない準備術
機械翻訳とTrados Studioの連携 ~PEのヒント~
SDLジャパン株式会社
14:20-15:50
フリーランスの税務申告と節税対策
16:20-17:50
GALA発、欧米の翻訳テクノロジートレンド
9:30-11:00
法的側面から考える特許翻訳
11:30-13:00
どこまで来たかNMT?みんなで使ってみた
14:20-15:50
チェッカーが見た和英特許翻訳の現状と課題
16:20-17:50
メディカル翻訳の将来を考える
9:30-11:00
ニューラル機械翻訳の最前線
11:30-13:00
機械翻訳時代のサバイバル戦略
14:20-15:50
NMT+PE=医学翻訳の新たな潮流
16:20-17:50
機械翻訳の品質評価を考える
某電子事務機メーカーで品質保証業務に携わりつつ社内通訳/翻訳を経験。その後、インハウス会社にて翻訳事業責任者となり、翻訳コーディネータや社内翻訳者/チェッカーを長年担当してきた。製造業の品質保証経験をベースに、翻訳会社として、また翻訳者として翻訳品質を担保する方法を研究してきた。その一部は「翻訳チェックの考え方」として2016年JTF翻訳祭以来、各所で講演している。また、その過程で必要となったツールを開発し公開している。
大学院修士課程を終えてすぐ特許事務所に入所。以来、特許翻訳と学術系書籍の翻訳・執筆に従事。翻訳歴(英日・日英)35年。「日本語の読み・書き技術」や「翻訳技法」について話すことも多い。近年は国立大学でも教鞭を執る。共著書に『翻訳のレッスン』『プロが教える技術翻訳のスキル』(講談社)、訳書にシルヴィア『できる研究者の論文生産術』『できる研究者の論文作成メソッド』(講談社)、ハラウェイ『猿と女とサイボーグ』(青土社)などがある。翻訳フォーラム共同主宰。
翻訳者にとって、誤訳や訳抜けなどのミスがなく、実際の使用場面で力を発揮するような翻訳物を納めることは、もっとも大切な責務である。翻訳の品質を守るための方法には、標準となる「型」があるわけではなく、各翻訳者がばらばらな方法をとっているのが現状だろう。一般的には、翻訳後にまとめてチェックを行ってすべてのミスを検出するというアプローチが多いようだが、翻訳にともなうミスは多様で、そのすべてを翻訳後のチェックで直すというのは非現実的である。翻訳ミスを無くすには、翻訳前の準備段階から工夫を重ねて訳出に集中してミスを出さない環境を整備し、一方各種チェックをなるべく前倒しして翻訳中から行う工夫が必要である。この講演では、講演者ふたりが、原稿受領から翻訳物納品までの過程で行っている翻訳ミスを起こさない工夫、早期に問題を見つける工夫など、翻訳の品質を守る工夫と考え方をそれぞれ紹介する。
IT分野の英語翻訳者。米国留学を経て国内の大学を卒業後、2002年からフリーランスの翻訳者とソフトウェア開発者に。2016年に合同会社グローバリゼーションデザイン研究所を設立。2017年からJTFの理事および翻訳品質評価ガイドライン検討会委員長も務める。産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学博士課程単位取得退学。『アプリケーションをつくる英語』で第4回ブクログ大賞(電子書籍部門)を受賞。近著に『アプリ翻訳実践入門』がある。
JTFは2018年11月に「JTF翻訳品質評価ガイドライン」を公開した。受発注者を中心とした関係者が翻訳の「品質」について共通認識を持ち、翻訳ビジネスを円滑に進められるよう支援することを目的としている。
同ガイドラインは大きく2つのパートに分かれている。まずは翻訳品質評価全般の解説で、次に具体的な評価手法である「JTF翻訳品質評価モデル」の紹介である。
さらにガイドラインには、ドキュメント・タイプ別のエラー・カテゴリー重み付け例、合否しきい値例、評価シートや仕様のサンプルなど、実際の評価場面で役立つ情報も掲載されている。また企業でも導入しやすいCCライセンスが設定されている。
この講演では、まずガイドライン全体を解説し、続いて実際に「JTF翻訳品質評価モデル」を使って参加者と一緒にサンプルの評価を試してみる。
(※ 本講演は2019年2月4日開催のJTF翻訳品質セミナーとほぼ同内容です)
大学新卒にて株式会社十印に入社。マニュアル制作をメインにマニュアル制作のディレクションを行う。2002年より、ローカリゼーションのプロジェクトマネージャーとして大型ローカライズを担当し、2009年より、マーケティング部を兼任する。マーケティング活動に力を入れるため、マーケティング部部長として、宣伝広報とともにマーケティング活動を中心に行う。現JTF理事、アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)理事。
2012年、十印入社以来、業界に新しい風を吹き込むことを目標に行動し、2016年に十印代表取締役就任する。「翻訳業界の5年後を考える会、5years」「多言語イノベーションを考える会、多言語イノベーションMeetup!」「翻訳へのあいを語る会、"i"translate」など、業界に新風を吹き込むさまざまな会を企画し、多方面の方々を巻き込みながら実行している。2019年2月より十印取締役社長へ、引き続き台風として活動中。
専門家の多い業界ではめずらしいジェネラリスト。十印社内のプロダクション各部門はもとより、総務部、営業部などすべて経験し、今に至っている。とりわけ、黎明期からローカリゼーションに関わってきたので、この分野には特に詳しい。
大手電機メーカーでシステム開発に携わった後、1990年代半ばローカリゼーション業界に入り、翻訳サービスのプロセス標準化や品質管理、翻訳チームのマネジメント、機械翻訳をはじめとした言語関連の各種テクノロジーの導入に従事。途中フリーランス翻訳者も経験し、ITを中心としたさまざまな分野の翻訳に携わる。現在は(株)十印にて、品質管理プロセスの強化・改善とともに最新のMT技術の翻訳現場への導入に取り組んでいる。
NMTの出現によりMTの精度があがったと言われる近年、翻訳者、翻訳会社、翻訳発注会社など、翻訳に携わる人々は、その存在を無視できない状況に直面しつつある。その一方で、世間ではMTによる誤訳がニュースをにぎわせている。これからの翻訳業界はMTを取り入れるべきなのか、または否定するのか、MTとどう付き合っていったらよいかをテーマに参加者全員でディスカッションを行う。冒頭で15分ほど、十印のMTサービスを紹介し、問題提起をおこなうので、それを受け、参加者は周りの人と意見交換をおこない、ネットワークを広げる機会としてほしい。翻訳者、翻訳会社、翻訳発注者など、翻訳に関わる人々が一堂に介する翻訳祭だからこそ、自分とは異なる立場の人と意見交換を行い、知見を広げるチャンスである。できるだけ大勢の方に翻訳業界のネットワークづくりに参加していただきたい。
慶應義塾大学経済学部卒業。株式会社日立製作所にて情報システム関係のSE業務、プロジェクト管理業務に従事。2015年より一般財団法人日本規格協会にて翻訳サービス提供者認証をはじめとした認証事業の推進に注力。翻訳サービス提供者認証(ISO17100)の他、品質マネジメントシステム(ISO9001)、情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC27001)の審査員資格を持つ。
翻訳サービスに関わる要求事項を規定した国際規格としてISO17100が2015年5月に発行された。これを契機に、日本規格協会は日本翻訳連盟(JTF)様のご協力のもと、本規格に基づく翻訳サービス提供者(TSP)認証事業を開始した。また、2018年度には日本翻訳連盟様、および日本知的財産翻訳協会(NIPTA)様のご協力のもと、翻訳者資格登録制度を発足させた。 この間、我が国ではインバウンド需要の拡大等に伴い、翻訳へのニーズも高まってきた。一方でニューラル機械翻訳(NMT)エンジンの進化、翻訳支援ツール、プロジェクト管理ツールの高度化など、翻訳業界を取り巻く技術的な環境も大きく変化してきた。 本セッションでは、これまでの認証機関としての活動を振り返り、環境の変化、また認証を取得いただいたお客様の声を踏まえ、ISO17100をどのように活用してTSPの価値を高めることができるのかを考察する。
日英翻訳者、ライター(英語関連の書籍・雑誌記事)、翻訳学校講師
著書:
『英語「なるほど!」ライティング』、『Google英文ライティング』、『eリーディング英語学習法』、 『あいさつ・あいづち・あいきょうで3倍話せる英会話』(全て講談社)、『究極の英語ライティング』(研究社)
共訳書:
星野富弘著『愛、深き淵より』の英語版Love from the Depths─The Story of Tomihiro Hoshino、 斉藤洋著『ルドルフとイッパイアッテナ』の英語版Rudolf and Ippai Attena (講談社)、岡本亮輔著『聖地巡礼—世界遺産からアニメの舞台まで』の英語版Pilgrimages in the Secular Age: From El Camino to Anime (Japan Library)
翻訳といえば常に「忠実な訳」が求められる。では「忠実=等価」とは何だろう?突き詰めて考えると結構難しい。翻訳とは原文の内容を別の言語体系で漏れなく伝えようとする試みだ。ここで「原文の内容」とは、文字レベルだけではなく、著者の意図・文化背景・ニュアンス・感覚までをも含む。英訳の場合は、日英の言語特性の違いが等価性に大きく関わってくる。日本語は世界の言語の中でもハイコンテクストの度合いが高く、文化を共有する者どうしが行間を読み合うコミュニケーションが成り立つ。一方、英語は言葉を尽くして表現しようとするローコンテクスト言語。日本語とは対極にある。そのため日本語から英語への翻訳では、言語化されていないさまざまな情報を掬いつつ訳文を作成しない限り、真の等価性を達成できない。本講演では、忠実であろうと日々奮闘する英訳者の汗と涙の一端を、技術から文学にいたる広い分野の例を挙げて示したい。
総合商社や小売企業の情報システム部で社内システム開発や運用を経験したのち、マイクロソフトに転職。サーバー製品のテスト・仕様書策定を担当したのちローカライズ主管部門に異動し、スタイルガイドの整備や外来語表記ルール(カタカナ長音)の変更プロジェクトに従事。翻訳会社に転職後は、米国IT企業製品のローカライズ版テスト、翻訳のテクニカルレビュー、機械翻訳エンジンの評価プロジェクト等に携わる。2017年サイボウズ株式会社に入社してからは、自らUI用語の翻訳やドキュメント翻訳のレビューを行うと共に、機械翻訳を利用して社内コミュニケーションを円滑化するプロジェクトにも注力している。
Webディレクター、UXライター、テクニカルライター。サイボウズ株式会社でプロダクトUIの用語のライティングや、ヘルプサイトのディレクションなどに従事。アジャイル化するプロダクト開発に合わせたヘルプサイト運用の実現のため、近年はCIツール、自動校正ツール、CATツール、機械翻訳、バージョン管理システムなどを連携させた高速なサイト制作プロセス作りに注力中。中島と共に、社内コミュニケーションを円滑化する機械翻訳エンジンの構築にも取り組む。各種イベント、書籍や自社開発者ブログ「Cybozu InsideOut」で発信中。
ソフトウェア開発は、ウォーターフォールからアジャイルへと変化を遂げた。UI、ドキュメントの翻訳もまた、開発プロセスの変化に合わせて進化しなければならない。サイボウズは、紙媒体のヘルプからWebベースでの提供に変わる中で、自社製品であるkintoneを最大限に活用し、社内外とのコミュニケーションの円滑化を進めた。さらに、多言語のUIやドキュメントの高速かつ継続的な改善を想定した基盤を構築した。本セッションでは、サイボウズでのUI文言管理、ドキュメント制作、翻訳のプロセスを紹介するとともに、将来に向けた取り組みについても説明する。
英日・日英翻訳者。ライター。クリティカルライティング研究会HAL主宰。津田塾大学卒業後、外資系企業日本支社の翻訳部に配属。退社後、フリーランスに。国際学会で学んだ論理的思考を重視しながら主に論文やレポートの翻訳を手掛ける。その他、構想企画、編集、執筆も手掛ける。さらに翻訳業と並行して、論理思考力の重要性を軸に上記クリティカルライティング研究会HALで後進指導にあたる。最近の寄稿は『翻訳事典2019-2020』の「AI時代に賢く生きる勝者7つのアイテム」。
登壇者は2019年2月に発刊された『翻訳事典2019-2020』に「AI時代に賢く生きる勝者7つのアイテム」と題して寄稿した。その寄稿をきっかけに、上記内容を拡張した形のセッションをとのご要望をいただきこの企画を実現する。セッション内容は上記寄稿内容の7つのアイテムについて、具体例など提示しつつ説明を加える。そのうえで、個人翻訳者をとりまくさまざまな問題にどういう姿勢でアクションを起こせば損をせずに賢く生きられるか考えたい。さらに上記7つのアイテム以外の重要アイテムについても法的知識の重要性をメインにご紹介する。最後に「翻訳の社会的重要性」にも触れられればと思う。なお、質疑応答の時間をなるべく多く確保して、参加者同士が語れる場になれば幸いである。ただし、登壇者は法的専門家ではないため、セッション当日に出た内容に関する応答については、個人見解で方向性を示すにとどまることをあらかじめお断りしておきたい。
北海道札幌市出身。クラウドコンピューティングの営業を経てSDLジャパンに入社。Trados Studioを中心とする、翻訳ツールの販売を担当。製品についてのブログやWebセミナーも手がけている。https://www.sdltrados.com/jp/blog/
1999年にローカリゼーション業界に入り、翻訳者、校閲者、翻訳リソース管理、翻訳チーム管理などさまざまな業務を経て、2009年よりSDLジャパンで翻訳ソフトウェアの営業職を務めている。2016年に管理職となり、自社セミナーや業界イベントなどで、ローカリゼーション業界の展望などをテーマにした講演を行っている。
2016年にニューラル機械翻訳が登場して以来、産業翻訳の現場でも機械翻訳がホットトピックであり続けている。そんな中、翻訳の現場では機械翻訳をワークフローに組み込むための様々な取り組みが行われている。今回のセッションでは、機械翻訳が現場でどのように使われているか、どのように使われるべきかを整理し、SDL Trados Studioを使用したポストエディットの方法を説明する。機械翻訳や翻訳支援ツール(CATツール)の初心者の方に参加していただきたい。
IT分野の英語翻訳者。米国留学を経て国内の大学を卒業後、2002年からフリーランスの翻訳者とソフトウェア開発者に。2016年に合同会社グローバリゼーションデザイン研究所を設立。2017年からJTFの理事および翻訳品質評価ガイドライン検討会委員長も務める。産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学博士課程単位取得退学。『アプリケーションをつくる英語』で第4回ブクログ大賞(電子書籍部門)を受賞。近著に『アプリ翻訳実践入門』がある。
1996年に渡米し、Second BAを取得した後、6年間現地の会社に勤務。2005年にCalifornia State University, Long BeachでMBAを取得し2008年に帰国。外資系翻訳会社を経て2013年4月に入社。従来の取説翻訳だけでなく、マーケティング資料、カタログ、SNS・ブログ、ウェブコンテンツ、UIなど幅広い分野の翻訳に対応している。2018年4月より現職。
製品またはサービスの翻訳業務において、避けられないのがUI(UserInterface)の翻訳だ。従来からあったPCソフトウェア、ウェブサイト、デジカメ、複合機、カーナビ、携帯電話などに加え、最近ではスマートフォン・アプリも普及し、UI翻訳は多様さを増している。また開発手法の変化に伴い、翻訳プロセスも変わりつつある。UI翻訳においては、文言が部品のように組み立てられたり、ユーザーや状況に合わせて動的に構成されたりと、従来の紙メディアにはなかった特徴がある。従来の捉え方では収まりきらないUI翻訳について、多言語展開も含めた視点が不可欠になるだろう。このセッションでは、UI翻訳の特徴や翻訳時の注意点を翻訳者目線から、そして多言語UI翻訳の事例紹介、翻訳のフローなどを翻訳会社目線から語って行く。
某電子事務機メーカーで品質保証業務に携わりつつ社内通訳/翻訳を経験。その後、インハウス会社にて翻訳事業責任者となり、翻訳コーディネータや社内翻訳者/チェッカーを長年担当してきた。翻訳を発注するクライアント企業であり、翻訳を受注する翻訳会社でもあり、そして翻訳者でもある自身の経験から、この三者の関係性がどうあるべきかを常に考え、それぞれの視点に基づいてSNSなどを利用し情報発信をしている。WildLight開発者、JTF理事
外資系 IT メーカーにて翻訳会社とのドキュメントローカライズのコーディネーションを担当した後、1999年、IT系専門翻訳会社にて、ソースクライアント系/ MLV 系 プロジェクトマネージャとして約10年間、多数の翻訳プロジェクトに従事。2009年、現(株)メディア総合研究所にてローカライゼーション部門立ち上げに携わった後、2016年より機械翻訳プロジェクトに取り組んでいる。
翻訳プロジェクトを成功に導くには、クライアント、翻訳会社、翻訳者間で緊密なコミュニケーションが重要である。しかしながら時間的な制約や、物理的な距離、プロジェクトマネージャーの経験値などによって、円滑にプロジェクトが推進できていない案件も多いのではないだろうか。当講演では、実際にあった事例に基づき、発注者、翻訳会社、翻訳者の各役割を複数経験のある講演者により、それぞれの立場でものの見方がどのように変わるのか、またその「落しどころ」をどうすべきかを、クライアント、翻訳会社、翻訳者の視点から考え、いかにしてプロジェクトを成功に導くのかを検討していきたい。
金融機関での勤務や産業翻訳のチェッカー経験を経て、現在はワイズ・インフィニティ制作部で主に字幕の演出・チェックを担当。字幕翻訳者の育成にも注力している。
2002年にワイズ・インフィニティ入社。教育事業部や営業を経て現在は、制作会社や放送局、メーカーなど、さまざまなクライアントからの仕事の受注や翻訳者手配を行うカスタマーリレーションズ部門の統括を行うと同時に新規顧客への企画営業も行っている。
動画配信サービスの成長に伴い、エンターテインメント作品の字幕翻訳が増加している昨今、産業翻訳の分野でも字幕の需要は増加傾向にある。年々映像制作の敷居が低くなる中、企業がPR映像や社内向け映像に字幕をつけて全世界の顧客や従業員に「想い」を伝えようとする動きが加速しており、それを実現できる非常に重要な武器が字幕である。当日は産業字幕翻訳とエンターテインメント字幕翻訳を比較しながら制作工程や使用ツール、また字幕翻訳特有の字数制限やルールについて話をする。字幕翻訳はエンターテインメント作品だけではなく、産業系の分野にも広がっていることを確認する機会にしたい。
1965年、神奈川県藤沢市生まれ。中学3年から高校を卒業するまでの4年間を父親の海外赴任に伴いロサンジェルスにて過ごし、筑波大学第三学群国際関係学類を卒業後、株式会社三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。同行でブラッセルに2回で通算12年間、ロンドンで6年間の海外赴任を経て、2018年5月に同行から宝印刷株式会社にグローバルソリューション部(現グローバルリレーションズ部)部長として出向、2019年1月初めより同社に転籍。同社では、翻訳業務を所管する他、在シンガポールの翻訳/通訳持株会社であるTranslasia社並びに株式会社十印のM&Aプロジェクトに参画、両社の取締役を兼任し現在に至る。
本年3月16日付の日本経済新聞朝刊の記事によると、東京証券取引所(以下”東証”)は、現在2,100社超ある東証1部上場企業数の時価総額基準の引き上げによる絞り込み、及び英文開示の義務化を検討中。東証1部企業で英文開示を実施している企業は、全体の約35%と低く、海外投資家の日本株投資のハードルのひとつとなっている。現状では、英文開示文書の義務化範囲は不詳ながら、海外投資家に対しても国内投資家に対してと同様に適切な情報開示を通じて対話を促すという方向性は不変。今後、これまで以上に英文開示書類の作成ニーズが高まるものと考える。上記35%の企業が全て東証1部に残ると仮定しても、700社以上の企業が新たに英文開示を義務付けられることになり、翻訳業界がこうした新たな翻訳ニーズに応える為には、翻訳方法の抜本的改革、翻訳体制の整備等が喫緊の課題である。
明治学院大学国際学部在学時より留学生受け入れ側の立場で案内役を務める。その後ITの分野でのネットワーク障害対応から、航空会社でのクレーム対応・乗務員マネジメントまで、様々な異文化・人と機械を「つなぐ」仕事に情熱を燃やし、日本・米国・マレーシアでの就労経験を持つ。バイリンガル対応者として多様なサポート職に一貫して取り組んで来た経験を活かし、現職では日本及びアジア太平洋地域のユーザーサポートやトレーニング等を担当する。
広島県出身。東京外国語大学卒業後、広島で英語の高校教諭を務める。その後渡チェコ。プラハ・カレル大学にてチェコ語を学び、フリーランスの通訳・翻訳者として活動中、メムソースに出会う。その後縁あってメムソースに入社し、アジア・太平洋地域の翻訳会社様、グローバルに事業を展開されている企業様の担当につく。現在は翻訳者としての経験も活かしつつ、様々な業界の翻訳・ローカリゼーション業務で、メムソースを最大限活用する方法をご提案中。
メムソースって何?メムソースを導入するメリットは?他の翻訳支援ツールとどこが違うの?などといった素朴な疑問にお答え。多様化する翻訳需要に応えるためには、これまで以上の作業のスピードアップが不可欠。いかにして品質を落とさずに作業効率を上げることができるかはいつも悩みの種。そこでモバイルエディターと共に満を持してご紹介する話題の技術を駆使した解決策がMemsource Translate。内臓されたMTQE(Machine Translation Quality Estimation)は、AIを活用した機械翻訳の信頼度を数値で算出することで機械翻訳の精度を分析し、より精度の低い部分の作業に集中することでプロジェクト進捗の効率化と翻訳者の負担軽減が実現可能にする。本当にそんなことが可能なのか?全く新しいTMS像をご紹介しながら翻訳業界の未来への一ページを切り拓く。
【現職】弁護士(日本国及び米国ミシガン州)・弁理士(芝綜合法律事務所所属) 早稲田大学、琉球大学法科大学院、関西学院大学商学部・法学部、同志社大学商学部の各兼任講師、国際企業法務協会理事。国際企業法務協会「最先端法務研究会」(人工知能等最先端法務問題の研究)共同代表。2006年アメリカ合衆国最高裁判所弁論資格登録
【経歴】早稲田大学法学部卒、General Motors Institute修了(優等)、ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、ハーバード大学ロースクール交渉戦略プログラム修了、いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、クレディスイス生命保険法務部長、Business Software Alliance日本代表事務局長、国士舘大学法学部教授、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授、大宮法科大学院大学教授、英国ウェールズ大学経営大学院教授、早稲田大学大学院(国際情報通信研究科)、東京医科歯科大学大学院、同志社大学ビジネススクールの各講師を経て現職 【主要著書】日経文庫「ネットビジネスの法律知識」、「情報知的財産権」(日本経済新聞社)、「インターネットの法律相談」(学陽書房)、「知的財産法講義」(税務経理協会)、「国際取引法と契約実務」、「初めての人のための契約書の実務」、「初めての人のための英文契約書の実務」、「初めての人のための英文・和文IT契約書の実務」(以上、中央経済社)、その他企業法務、国際法務、知的財産法の著書合計71冊
一般に英文契約書は非常に難解で理解し難いといわれている。しかしながら法律英語・英文契約書は決して難しいものではない。特に高い英語力が必要とされているのではなく、契約の基礎知識と必要最低限の法律英語がわかっていれば、十分に対応できる。ただ、自己流でやみくもに学習しても短期間での熟達は望めない。ゴルフやテニスと同じように最初に基本的な型を教えてもらえば後はそれをベースに練習を積んでいけば上達が早いのと同じように、まず、最初に英文契約書の基本的な型を教えてもらうことが肝要である。
フェローアカデミー卒業後、株式会社十印に入社。6年ほどITやマーケティング関連の翻訳やチェックを担当し、退職後イギリスに転居。1年半ほどイギリスのマーケティング会社で翻訳やライティングを担当。帰国後、株式会社十印に戻り、リードリンギストとして、主にマーケティング翻訳関連の業務に携わる。
翻訳業界で注目され、翻訳者にとって必須のスキルとなりつつあるマーケティング翻訳とは、一体どのようなものなのだろうか?ほかの分野の翻訳と、どのように違うのだろうか?マーケティング翻訳を受注した際、頻繁にリクエストされる点は「読みやすい翻訳」。「読みやすい」翻訳とは何なのだろうか?ほかの分野の翻訳でも、読みやすさは必要なはず。では、マーケティング翻訳における、「読みやすい翻訳」とは?この講演では、英日翻訳におけるIT翻訳とマーケティング翻訳の相違点を分析して、マーケティング翻訳の特徴を明らかにする。そして、それぞれの特徴を把握したうえで、IT翻訳とマーケティング翻訳の手順を説明。特にマーケティング翻訳に関しては、例文を多数使用しながら、各手順を見ていく。マーケティング翻訳に要求される「読みやすい翻訳」の裏にある目的を考え、この目的を達成するには、どのような翻訳を作り出せばよいか考える。
慶応義塾大学法学部卒業。日本外国語専門学校(旧通訳ガイド養成所)にて広報室長として勤務した後、1987年株式会社サイマル・インターナショナルにて通訳コーディネータとして勤務、2012年11月に同社代表取締役就任。2017年4月に退任後、業界30年の経験を生かしフリーランスでコミュニケーションサービスのアドバイザーとして活動。2017年10月に一般社団法人通訳品質評議会の理事に就任。
1998年からランゲージ業界に従事。20年にわたるテクノロジーと言語のコラボレーション実現の経験を生かし、2018年からはInterprefyの日本担当マネージャーとして、通訳業界にも視野を広げ主に日本を拠点に活動を行う。現Women in Localization日本支部マネージャー。ローカリゼーション、ランゲージ業界に携わる人々のさらなる活躍と業界発展のためのボランティア活動にも力を注ぐ。
2018年よりスイス発の遠隔同時通訳業界の先進企業、Interprefy(インタープリファイ)の日本担当ビジネスマネージャーとして、通訳を介して理解を深め、働き方や会議への参加の仕組みの変化をもたらす遠隔同時通訳という新たな概念を根付かせるために様々な活動を行なっている。それ以前は外資系IT企業のマーケティング、プロジェクト/プログラムマネージャーとして、イベントや会議の主催と通訳の手配、クライアントとして翻訳プロセスの構築や、翻訳レビューの経験を有する。2016年よりWomen In Localization日本支部のリーダーシップチームとして活動。
<前半:藤井氏>今年6月にカナダのオタワでISO/TC37(言語と用語の専門委員会)の年次大会が開催された。TC37に含まれる翻訳通訳関連の分科会 SC5においていままでにどのような進捗があったのか、またどんなプロセスで国際規格となっていくのか、さらに発行した規格の構成概要や入手方法などについて基本的な事を解説し、今後ISO規格をどう活かしていくべきかについて提言します。
<後半:千葉氏、森氏>現在、通訳機器関連の分野で、“遠隔同時通訳”と呼ばれるシステムが、ISO発行の準備が進められている。セミナーの後半では、この分野の最先端をいく企業のプレゼンを通して、どのようなシステムかを解説するとともに、実際のデモを通じて、音声や仕組みをご体験いただく。なお、遠隔同時通訳 [RSI: Remote Simultaneous Interpretation] は、2015年頃に始まり、昨今欧米では利用が活発化し、対応できる通訳者も増加している。日本でもTokyo2020などをきっかけとして、その利用機会が増えることが期待されている。本システムは、インターネット技術を会議通訳に適用することで、通訳者、講演者、参加者の場所の制約を外すだけでなく、内容の理解度を深め、働き方や働く環境、そしてコスト削減への寄与も大きいと言われている。
<前半>
<後半>
1985年米国生まれ。16歳の時から日本語の勉強を開始、日本留学を3回。ウェスト・バージニア大学院で修士号の取得後、2010年米国の日系企業に就職、2017年まで通訳のスキルを社内に磨いた。2018年よりフリーランスの会議通訳者としての活動を開始。得意分野はサイバーセキュリティ、会計、IR、人事、自動車や製造など。2019年の夏に東京に移住。現在、通訳の活動以外にオハイオ州立大学にて通訳基礎のオンライン講座の講師を務める。通訳の卵たちが育っていくことに喜びを感じる。
翻訳が専門職なのに、どうしても断れない通訳の仕事を頼まれた経験はないか?例えば、今までたくさんの資料を翻訳したお客様から通訳の依頼が来たとか個人的に興味があるテーマやスピーカーの通訳を頼まれたとか。そんな時はどうすればいいか悩んだことはないか?翻訳と通訳の世界は共通点がたくさんあるが、知っておくべき異なる点が多いからだ。翻訳を専門にしている方がいきなり通訳の仕事を引き受けて、色々と困難が発生するケースはたくさんある。また、新米の通訳者がレートの設定、見積書の作成、エージェントや顧客とのやりとり等の基本的なやり方がわからないと損害をこうむるケースもある。このセッションは、翻訳者仲間から聞いた事例を踏まえて、見積り作成から実際に現場に出るまで、通訳者の「やるべきこと・やってはいけないこと」を5つのステップを通して徹底的に解説する。
高校卒業後、国家公務員税務職に採用。主に、所得税・法人税・資産税調査事務に従事。昭和60年3月から昭和63年4月まで税務大学校東京研修所で教育官に従事し、新人税務職員を指導。昭和63年7月から平成2年7月まで税務大学校に勤務。平成23年8月税理士登録。平成25年11月(一社)京橋青色申告会に勤務。
確定申告に毎年頭を悩ませている翻訳者、通訳者は少なくない。これから開業する方にとっても申告は大きなハードルだろう。さらに、年金は国民年金、退職金もないフリーランスにとって、節税や家計改善で少しでもお金を残すことは老後の安心にもつながる重要なテーマだ。セッションの前半は、青色申告の特典や開業時の届出書類・届出先から日々の記帳方法、決算方法、申告方法まで、青色申告会の税理士が質疑応答も交えて丁寧に解説する。後半は、翻訳者通訳者のお金について、特に節税とライフサイクルに合わせた家計の見直しについて、10年以上青色で申告しているフリーランス翻訳者が体験に基づいて具体的に紹介する。なお、現在多くの関心を集めている「インボイス制度」についても、緊急のテーマとして秋本氏がわかりやすく解説する。
米どころ新潟出身。世界が認める美食の地バスク地方在住。フランス在住16年目。Word Connection sarl (France)代表および株式会社Word Connection JAPAN代表取締役。翻訳テクノロジーエバンジェリスト。ニュージーランドで保険会社の通訳を務め、日本の測定機器製造メーカー社内翻訳、朝日新聞社系列会社の記者をしながら20年近くフリーで翻訳、ソフトウェアのローカライゼーション、校正、インターネットメディアライターなど文筆業を営んだ後、2015年にフランスで起業。現在フランスと日本で翻訳会社を2社経営。メディア翻訳記事コーディネート、大規模・長期の翻訳プロジェクト構築、用語管理・用語構築、テクノロジーを使った翻訳などのサービスを欧米の企業に提供。趣味は翻訳。
AI、ディープラーニング…。今やこれらのバズワードを聞かない日はない。翻訳業界にもその波が押し寄せている。経営に新たな効率性をもたらしたり、これまでになくスピーディなサービスが求められたり、ビジネスモデルの変革を迫られたりしている。そして新しい翻訳テクノロジーや機械翻訳の台頭。組織も個人もこぞってそれを使いこなそうとしている。しかし、果たして翻訳やローカライゼーション産業に携わる者として、わたしたちは未来を見据えた行動ができているのだろうか。 本セッションでは、機械化や自動化が世界の翻訳業界にもたらしている影響を読み解き、その中でどんな能力が重要なのかを探る。欧米における最新テクノロジーの紹介と、激動のテクノロジー時代において、世界中の翻訳・ローカライゼーション企業の成長と発展を支えるGALA(Globalization & Localization Association)の役割、そしてメンバー企業の統計データなどを交えて最近の動向や考察をお伝えします。
京都大学理学研究科博士課程修了後、ドイツ・ケルン大学・発生生物学研究所及びアメリカ・ニューヨーク大学・スカーボール研究所にて、7年間、研究員として留学。帰国後、東京大学医科学研究所にて3年間助手を務める。2001年5月より一色国際特許業務法人にて、特許実務・特許翻訳に携わる。専門はバイオテクノロジーを中心に、バイオテクノロジー関連のソフトウエア・ビジネスモデルやバイオインフォーマティックスまで広くカバーする。現在まで、知財翻訳検定試験委員(バイオテクノロジー)の他、特許翻訳セミナー講師を多数務める。著書は「特許翻訳の実務」(共著)(講談社サイエンティフィック)。
特許翻訳は、技術・法律・翻訳の3つの側面を持っている。本来は、法律面がわかっていないと、正しい形での翻訳はできないし、翻訳面がわかっていないと、翻訳文のチェックができないだけではなく、翻訳のための原文になる明細書もしっかりした文章にはならないと考えられるが、翻訳面は翻訳者任せに、法律面は特許実務者任せになってしまうことが多く、翻訳者と特許実務者の乖離が生じているのが現状である。 例えば、特許翻訳は逐語訳が良いということがよく言われているが、逐語訳の意味するところは不明である。最も重要な法律的側面は新規事項との兼ね合いと思われるが、これまで翻訳における新規事項の考え方はほとんど議論されていない。そこで、セミナーの前半では、新規事項と優先権を中心に、法律面から特許翻訳文のあり方を考えたい。後半は、特にクレーム形式と実施例に焦点を当て、法律面から医薬特許翻訳の特徴を紹介したい。
京都大学大学院工学研究科材料化学専攻修士課程修了。化学メーカー、国内特許事務所(2カ所)を経て2019年1月株式会社RWSグループ入社。翻訳文のチェックのほか、社内翻訳、翻訳者トライアル問題の作成及び評価、翻訳者選定などの業務に従事。化学系、材料系、機械系、制御系などの特許文書の翻訳が専門。弁理士登録番号:14835(平成18年合格)
「日本語では問題なく理解できるのに、なぜそれを英訳すると問題が起こるの?」演者がかつて投げかけられた疑問の一つである。皆様はどのように答えられるであろうか。技術立国日本において培われた技術を海外においても守るため、質の高い特許翻訳文を提供することは極めて重要である。しかしながら、特許翻訳文の品質向上への努力が日々行われているにもかかわらず、日本語を原文とする特許翻訳文は分かりにくい、訴訟において戦いにくい、など評判は必ずしも良くない。この理由はどこにあるか。また翻訳者は不足していると言われながらトライアルにはなかなか合格しない、このミスマッチが起こる背景は何なのか。弁理士・翻訳者・チェッカーを経験した演者の目を通して、特に日本語原稿の問題や翻訳上の問題を考える。また弁理士・翻訳者・チェッカー間の協働の重要性や、弁理士・翻訳者・チェッカーそれぞれが果たすべき役割について述べる。
東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻 修士課程修了。国際医療福祉大学大学院 保健医療学専攻 医療福祉ジャーナリズム分野 博士課程修了。外資系製薬会社、総合病院、産業保健分野での実務経験を経て起業。臨床研究、健康経営領域のライター、翻訳者、英語講師として活動。獨協医科大学等にて、英語論文の読み方に関する単発講座を担当、看護系研究者向けに海外学会発表の準備講座を主宰。学位論文「日本の臨床研究の質向上に向けてメディアの果たす役割」原著論文「主要臨床医学雑誌の原著論文掲載数と研究内容の国際比較」共訳書「生命倫理を考える-終わりのない7編の物語」ほか
メディカル翻訳者。日本翻訳者協会(JAT)理事。日本翻訳者協会製薬翻訳分科会(JATPHARMA)委員。神戸市外国語大学外国語学部国際関係学科卒業。治験関連文書や文献等のメディカル翻訳を手がけるほか、医学英語教育にも力を入れており、翻訳学校等ではメディカル翻訳全般、セミナーでは「医療統計翻訳」等をテーマとした講師活動を行う。日本翻訳連盟(JTF)、日本臨床試験学会(JSCTR)、日本メディカルライター協会(JMCA)、日本医学英語教育学会(JASMEE)会員。
【Part1 臨床研究法成立の経緯と論文翻訳の課題】2018年4月に臨床研究法が施行され、治験以外の臨床試験のあり方が大きく変化している。臨床研究を行う医師・研究者の間では、臨床研究法は重大な関心事だが、翻訳者がその概要や翻訳への影響を知る機会はあまりないのではないだろうか。研究不正の報道と臨床研究法成立の関係を研究してきた西村氏が、治験、臨床試験、臨床研究の違いを踏まえ、臨床研究論文を訳す際の注意点を述べる。
【Part2 機械翻訳に関する調査結果】現在、機械翻訳関連の様々な論議がなされているものの、メディカル翻訳に絞った機械翻訳の現状を把握できる機会は少ない。また製薬・医療機器メーカーや翻訳会社等が翻訳者に求める資質や、機械翻訳導入による翻訳関連マーケットの未来を予測することも難しい。今回は、小泉氏が事前にアンケートや面接調査を実施し、結果を提供する予定である。それを元にディスカッションを行い、メディカル翻訳の未来を皆で探っていきたい。
東京大学大学院情報理工学系研究科で修士号を、京都大学大学院情報学研究科で博士号を取得後、京都大学特定研究員および特定助教、科学技術振興機構研究員を経て、現在は東京大学特任講師。専門は自然言語処理、特に機械翻訳で、多数の国際会議にて成果を発表。機械翻訳に関する正しい知識の共有と機械翻訳の普及のために、様々な媒体で機械翻訳に関する記事を寄稿している。共著にコロナ社の自然言語処理シリーズ『機械翻訳』がある。
ニューラル機械翻訳が初めて提案されてから、およそ5年が経過した。この5年の間でニューラル機械翻訳はどんどんと進歩しており、研究コミュニティーでは様々な改善手法が提案されている。本講演ではニューラル機械翻訳の仕組みを概観し、その特徴を整理する。また最新のニューラル機械翻訳に関する話題を紹介する。
ニューラル機械翻訳はそれ以前の機械翻訳と比較して、平均的に高精度な翻訳ができるようになったことは確かだが、ニューラル機械翻訳が不得意とするものも存在する。また当然ながら、ニューラル機械翻訳の結果をそのまま利用できる範囲は非常に限られており、完璧な翻訳が必要ならばどうしても人間によるチェックが必要不可欠である。本講演ではニューラル機械翻訳だけでなく、機械翻訳を人間による翻訳業務で利用するためにはどのようなことに注意すべきか等についても議論する。
立教大学文学部日本文学科卒業。フンボルト大学文学部日本語翻訳学科(ドイツ/ベルリン)に留学。10年間の翻訳会社勤務を経て2005年にフリーランスの翻訳者として独立。産業翻訳の他に最近ではフィクションの翻訳も手がける。翻訳歴が20年を超えた今、仕事を続ける限り翻訳の勉強は不可欠だと痛感している。機械翻訳の使用経験はないものの、欧州との取引が多いこともあり、数歩先を行くかの地の機械翻訳事情には詳しい。
翻訳会社社員、10年近くに及ぶフリーランスの英日翻訳者を経て、現翻訳会社社長。さまざまなロールでの経験を武器に、社内外問わず働きやすいチーム作りに奮闘。30代半ばにして親の介護が始まり、一時期は社長業との両立に苦労したものの、その経験を基に、仕事と生活の垣根を越えた「セーフティネットとしての翻訳会社」を実現したいと考えている。 目下、AIやMTの台頭により、求職者や学習者にとって翻訳という仕事そのものの魅力が低下しているのではないかという危機感を覚え、「人間による翻訳」の価値の発信が急務と考えている。
大学卒業後、飲食店に勤務。店長やエリアマネージャーなどを経て、心と数字をリンクさせた経営視点を学ぶ。さらに、米国での新店舗立ち上げも含め、寿司職人として3年間働いた後、学生時代に所属していたピアノサークルの友人である現社長・梅田の誘いを受けテクノ・プロ・ジャパンに入社。それまでとはまったく違う業界へのチャレンジではあったが、飲食業界で培った対人スキルを活かし、リソースコーディネートや人材採用など、 人と人を繋ぐ仕事に従事する。2018年2月より、代表取締役副社長。本業の傍ら、Airbnbをはじめ、パラレルキャリアも模索中。
2005年に株式会社ホンヤク社に入社。コーディネータやプロジェクトマネージャーとして制作業務を経験し、その後、ベンダーマネジメント、CAT/QAツール管理、業務管理システムやMTの導入などを担当。2015年より業務全般、2018年より事業全体の管理者として、実案件にも携わりながら品質や顧客満足度の向上に取り組んでいる。
本セッションは、6月に開催された2019年度第一回JTFセミナーの第二幕である。
前回のセミナーでは、事前アンケートで広く情報を集め、その結果とパネリスト4名の知見・経験をもとに、CATツールやMTPEにかかわる課題や認識を、翻訳者・翻訳会社というそれぞれの立場から共有した。しかし、CATツールやMTPEの浸透は翻訳分野によって大きく異なるため、聴講者によるセミナー後のアンケートでは、より深い議論や具体的な話を知りたいという声も聞かれた。
本セッションは、タイトル通り「翻訳業界でのサバイバル」というテーマに対して、3名が異なる観点のテーマを設定し、前回のセミナーよりも踏み込んだ内容・知見を共有した上で、聴講者の方々とともに次の一手を探っていければと考えている。
訳文を手書きしていた頃から今日に至るまでフリーランス一筋の医学翻訳者。1984年、大阪に本拠を有する某翻訳会社に外注翻訳者として登録。以来、医歯薬農学を含めた生命科学全般と純粋および応用化学の分野の翻訳に携わる。これまでに、十指に余る翻訳会社や個人エージェントから依頼された3,000件以上の業務を請け、様々な種類の文書を翻訳した。特許公報や特許明細書などの特許文書の英訳も多数手掛けた。後輩の教育に関心と経験を有し、教え子の中からは、現在業界で活躍中の有為な人材が輩出している。神戸大学農学修士。言語処理学会、日本医学英語教育学会、日本抗加齢医学会の会員。
従来の機械翻訳とはまったく異なる仕組みで動くニューラル機械翻訳(以下、NMTという)の登場は、訳文の流暢性(一見こなれた文章)と出力スピード(秒単位!)によって、産業翻訳の世界に身を置く我々に強烈な印象を与えた。医学翻訳の分野では、昨年来、クライアントである製薬会社から翻訳会社や自動翻訳研究機関への高品質コーパスの提供が相次いだ結果、NMTの利用に弾みが付いたものと推察される。NMTでは、人による翻訳では見られない特有の誤りが発生するが、そうした知識を持った医学翻訳者による訳文の評価と修正(ポストエディット=PE)が不可欠であり、その需要は加速度的に増大するだろう。この状況下、演者は、複数の関係筋から、様々な文対のPEに関する情報の恵与を受けて、本講演を行う好機を得た。多くの原文、訳文、PEの具体例を提示し、個別に検討する。医学翻訳、訳文校正、エンジン開発など様々な立場の聴衆による活発な意見交換を期待したい。
品質管理やプロジェクトマネージメントをはじめ、同社の翻訳制作のあらゆる業務を統括する立場にある。
同社では機械翻訳の開発、導入、評価を担当。大阪大学で機械翻訳の研究にも携わっており、本年の日本通訳翻訳学会では機械翻訳の関連工程についての研究成果を発表した。
機械翻訳(MT)技術の進歩は著しいと謳われているが、その根拠となるBLEUなどの自動評価指標は文の類似度に基づくものに過ぎず、実質的な翻訳処理の品質を反映したものではない。では何をもってMTのパフォーマンスを測定すべきなのだろうか。何が達成されていれば十分な性能のMTだと言えるのか。MTが何をもたらしてくれることを期待すべきなのか。逆に、MTのリスクをどう考えるべきなのか。さらに、機械翻訳システム間、適用する文書間の性能を比較することは可能なのか。これらを考える基盤として、機械翻訳の品質評価の枠組みを確立することが急務である。本セッションでは、いくつかの品質評価手法を取り上げ、up-to-dateな知見を踏まえてそれらの妥当性、有用性を議論する。またこの品質評価を産業翻訳実務に取り入れ、品質管理や工程管理と組み合わせる方法論や、それに伴ってソースクライアント、翻訳者、翻訳会社の役割をいかに再定義すべきかについても考える。