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JTF翻訳セミナー(東京) JTF関西セミナー(大阪)

翻訳セミナー情報 JTF翻訳セミナー(東京) セミナー受講ご希望の皆様へ

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2009年のJTF翻訳セミナー活動報告

第9回
開催日 2010年2月9日 セミナー: 14:00 〜 16:40 懇親会: 17:15 〜 19:30 [希望者のみ]
テーマ 「ネイティブが語る、翻訳者と翻訳会社の理想的な関係について」
講演者 リチャード・サドゥスキー(Richard Sadowsky)氏
日英翻訳者
概要 翻訳者と翻訳会社間のコミュニケーション不足が、お互いに不満や不信を招き、継続的なパートナーシップを壊してしまうケースがある。翻訳者は「納期が厳しい・コーディネーターの対応が悪い・フィードバックに納得できない」と不満を抱き、翻訳会社は「期待した品質に達していない・フィードバックを次に活かしてくれない・職人気質で頑固」と嘆く。この両者におけるコミュニケーションのミスマッチはどのような原因で起こり、解決していけばよいだろうか。
本講演では、日英翻訳者のリチャード氏が、「翻訳者と翻訳会社の理想的な関係」について語る。仕事を依頼するときの要望・受けるときの留意点、原稿の準備状態、締め切りの設定、チェックとフィードバック・修正、カウントと支払いなど、具体的な実例を挙げて紹介する。
翻訳者と翻訳会社の相互理解がなければ、クライアントが要求する質の良い翻訳は生まれないだろう。問題なく、スムーズに「いい翻訳」が出来たとき、ソースクライエントからのポジティブフィードバックが翻訳者にとって大きな喜びや励みとなり、次の仕事へのエネルギーとなる。また、翻訳会社からのフィードバックの事例についても考察する。受講者からの意見を交えながら、皆様と一緒に考える研究会としたい。

【対象】
○日英翻訳者の方
○翻訳会社の方(コーディネーター・レビューア・経営幹部)

⇒本セミナーの講演は、DVDで受講できます

【講師略歴】
アメリカニューヨーク出身。二十歳の時に大学中で日本(京都)に来て、東洋思想を勉強。9年ほど神戸に住み、それから淡路島に家を建て、田舎暮らし(冬は薪ストーブ手入れ)を女房と猫4匹と楽しんでいる。来日してから五年目に翻訳に飛び込み、フリーランス翻訳者として仕事を始める。関西淡路島在住翻訳者として21年になる。専門分野はマーケティング。
日本翻訳者協会(JAT)主催の「日英・英日翻訳国際会議(IJET)」では、常連プレゼンターとして多数講演。2006年の「IJET神戸」では実行委員長を務める。最近では2009年11月にJATの「PROJECT Osaka」で「フリーランスでの仕事の流れと生産性向上」というテーマについて講演。JAT会員。

2009年度 第9回JTF翻訳セミナー報告

 フリーランス翻訳者にとって一番重要なことは何だろうか? 翻訳会社との関係、正確で読みやすい訳文を作成する、納期を必ず守る、などいろいろあげられるが、一口に言うと、本人にとって気持ちの良い環境で、相性の良い翻訳会社と、質の高い翻訳を仕上げることなのではないか。リチャード氏は、いわゆる「田舎」と呼ばれる日本の地方で生活しながら、フリー翻訳者として最高のパフォーマンスを出せる環境を自分で作り出し、その中で仕事をしている。ネイティブ翻訳者としてのリチャード氏が、効率のよい仕事環境の作り方と翻訳会社との関係について語った。

フリーランスの仕事の流れ
 翻訳の仕事は、まず翻訳の依頼を受けることから始まる。依頼を承諾して仕事が始まり、次にメイン作業である翻訳を行い、納品→フィードバック→再納品→請求書提出で、仕事が終わる。すべてにおいてスムーズに行いたいと考えるが、そのためには翻訳を依頼してくれる翻訳会社とのコミュニケーションが重要である。翻訳者は、依頼された原稿の翻訳に関する指示はどの程度詳しく出してくれるのか、参考資料があるかどうか、納品形態はどうするのか、などを知っておく必要がある。納品形態がワード以外の場合は、編集作業が必要かどうかを確認することも必要である。編集が必要な場合は、別途編集料金を請求しても良いと考えている。翻訳者は翻訳に専念することが一番重要だからである。
 翻訳会社にとって仕事を依頼しやすい翻訳者とは、翻訳の品質がよいことはもちろんであるが、レスポンスがよいことも非常に重要である。

様々な支援ツール
 翻訳スピードあげるには、支援ツール(ソフト、ハード)の利用が欠かせない。複数の辞書を串刺し検索できるJamming、略語を入力するとフルスペルで書き直してくれるソフト、よく使うフレーズの最初の単語を入力すると全文を書き出してくれるソフト、コピー&ペースト時、クリップボードの中身をすべて表示してその中から必要なものを選択してペーストできるようにするソフトなど、日常的に何度も行う作業を効率化させることで翻訳スピードがかなり速くなる。また、液晶画面やキーボード、マウス、などのPC 周辺機器、あるいは机や椅子といった基本的なツールは、人間工学に基づいたものが多数販売されており、それらを使うことで効率化をはかることができる。

フィードバック
 翻訳が終わり納品すると、翻訳会社からのフィードバックがくることがある。フィードバックには常に真摯に対応しているが、たまに的外れな英文に関する指摘を受け、がっかりすることもある。フィードバックは、翻訳会社も時間がかかる作業であるため、英語をよくわかっている人が担当する方がよいのではないか。

聴講者からの質問
Q.原文の日本語の質が悪い場合はどのように対応しているのか?
A.まずは日本語ネイティブに意味を確認し、それでもわからなければ翻訳会社に聞く。時間がない場合は、コメントを入れて対応している。
Q.翻訳力を鍛えるために行っていることは?
A.調査力を上げるよう日々努力している。それから、英文を多読すること。また、支援ツールについても常に探すようにしている。

 窓の外には森が広がり、隣家は100メートル先。冬には薪ストーブを焚いて暖をとるという自然に囲まれた環境の中で、大画面の液晶に愛機のマッキントッシュPC をつなぎ、快適なインターネット環境を整えて画面に向かう。都会のサラリーマンが聞くと非常にうらやましい限りの生活。これもフリー翻訳者という職業だからこそ選択できること。昨今不況で、フリー翻訳者のマイナス面ばかりに目が行きがちであったが、本来、フリー翻訳者とは、時間や場所に縛られず、好きな環境で仕事ができるというのが最大の利点であったことを思い出させてくれたセミナーであった。

報告者:早舩 由紀見(個人翻訳者)


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