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JTF翻訳セミナー(東京) JTF関西セミナー(大阪)

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2009年のJTF翻訳セミナー活動報告

第4回
開催日 2009年9月10日 セミナー: 14:00 〜 16:40 懇親会: 17:15 〜 19:30 [希望者のみ]
テーマ 「外国人人材問屋、ビーコスの148の多言語戦略」
講演者 金 春九(Kim Chungu)氏
株式会社ビーコス 代表取締役
概要 金融危機以降、日本企業は生産拠点や輸出先を従来の先進国から高成長が期待できる中国、インド、ロシアなどの新興国にシフトしている。新興国への海外進出によって、今後ますます翻訳の多言語化が進むことが予測される。同時に、海外の翻訳会社と競合するケースも増えていくであろう。翻訳会社は、不況の中で、多言語サービスの強化や海外の翻訳会社との競争に向けてどのように対応していけばよいだろうか。
本講演では、中国・韓国に海外拠点をもつ(株)ビーコスの金社長が、「翻訳会社の多言語戦略」について語る。同社は、外国人人材を活用した多言語翻訳・人材派遣/紹介・海外留学生支援などの事業を幅広く展開している。主なクライアントは翻訳会社で、登録翻訳者の85%が日本在住、15%が海外在住のネイティブである。翻訳会社が対応しにくいニッチ言語にもサービスを提供している。経営者の立場から、海外ネットワークを活かした営業戦略や多言語翻訳のワークフロー管理について実例を挙げながら説明する。

【対象】
○翻訳会社の方(経営者・営業・コーディネーター)
○多言語翻訳や外国人派遣事業にご興味のある方

⇒本研究会の講義内容をDVDで受講できます

【講師略歴】
出身は韓国。
1年間の日本語学習のために来日したが、日本語の習得のみを目的とすることに飽き足らず、立命館大学に進学。世界30ヶ国への「放浪の旅」も経験。
在学中に留学生の組織である留学生交流会会長や他大学の留学生との交流を活かし、大学4回生の頃に作った任意組織「飛魚インターナショナル」を2001年に法人化、代表取締役に就く。
のべ2万人以上の外国人人材の派遣・紹介業務や、148言語の多言語翻訳業務を中心に事業を展開している。
外国人人材を日本の社会に送り込むことにより、外国人の生活向上及び日本の社会がより良くなることを目指している。

2009年度 第4回JTF翻訳セミナー報告

 現在、10万人以上の留学生が日本の大学や大学院で学んでいる。第4回研究会講師である金氏は、自身が留学生として大学で学んでいた時期に、留学生同士の交流から、日本に滞在する外国人という立場で特色を出せる事業があるのではないかと仲間と試行錯誤し、留学生4人で会社を立ち上げた。その後、紆余曲折を経て現在の「ビーコス」が誕生し、148もの多言語サービスを提供する、外国人人材問屋となったその経緯を語った。

会社誕生の経緯
 父親の仕事の影響で日本に興味を持ち、日本語を学んでみようと大学卒業後に働いていた韓国の軍隊を辞めて1 年間の予定で日本に来た。このとき、日本行きの飛行機の中で、漠然とではあるが30歳には独立して貿易会社をやることを決意。1年後、もっと勉強したいという意欲がわき、大学に入ることにした。意欲満々で入学したが、最初の試験で日本語能力不足のため満足な回答が書けず平凡な成績に終わる。この経験で、日本語能力で日本人と競っても勝てないと、あっさりと勉学へのこだわりを捨て、将来起業するときに役立つことをやろうと思い立つ。
 そこで留学生交流会に入会し、様々な活動をしていく中でリーダーシップを発揮し、1995年度の会長となった。様々な活動を立案、企画、開催し、1年間大いに活躍した後、次の会長に職務を譲ると途端に暇になり、日本以外の外国を見てみたいと思い立つ。大学を1年間休学し世界放浪の旅へ出た。その時滞在した国は約30ヶ国。ほとんどが野宿という貧乏旅行だったが、行く先々で親切な人々に出会い、宿、食事の提供を受けた。この放浪の旅では海外の人や文化がどのようなものかを知ることができた。
 帰国後、就職活動を始めた。しかし、最初の面接で、自分のやりたいことと会社が求める人材との大きなギャップに気付かされ、その後就職活動を諦めてしまう。同じ思いを抱えた留学生数人と何かやろうと知恵を出し合い、資金を持ちより、4人で任意団体を立ち上げた。これが、ビーコスの前身である、「飛魚インターナショナル」が誕生した経緯である。

ビーコスの目標
 ビーコスは、日本に滞在している外国人に、日本で活躍できる場を提供し、日本の企業には彼らを活用してもらうことで日本の活性化につなげられる、双方の出会いの場を提供することを業務の目的としている。翻訳は、ビーコスの売り上げの70% を占めているが、ビーコスのメイン業務ではない。翻訳業務の顧客の70% は翻訳会社である。翻訳会社のクライアントであるエンドユーザーに喜んでもらう翻訳を提供し、翻訳会社の評価をあげるのが、ビーコスの目標である。
 現在取り扱っている言語は148言語。登録翻訳者は85% が日本在住の外国人である。残り15% は、海外在住者であるが、日本滞在時にビーコスに登録された人材なので安心して仕事を頼んでいる。翻訳者の評価をホームページで公表しているのも当社の特徴である。クライアントが翻訳者の情報を見ることができる、顔の見える翻訳を目指している。案件が終わるごとにクライアントに満足度をアンケート調査して翻訳者を評価している。
 現在は、新規顧客はほとんどがホームページからの顧客である。翻訳、通訳、人材派遣、多言語学習などの様々なページをそれぞれ別のドメインで作成することで検索成績を良くし、月間160〜190件の新規問い合わせをもらっている。今後の課題は、いかにリピーターを増やしていくかということである。

 日本にいる外国人が活躍できる場は、狭い日本の中では限られているのかもしれないが、金社長が自分の経験を踏まえて、外国人と日本企業との間に手を差し伸べることで、彼らの活躍の場が広がり、外国人が住みやすい国へと日本がかわっていくという夢が現実になっているのだろうと思った。金氏の非常に力強いお話から大きなエネルギーをもらうことのできた研究会であった。

報告者:早舩 由紀見(個人翻訳者)


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