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JTF翻訳セミナー(東京) JTF関西セミナー(大阪)

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2009年のJTF翻訳セミナー活動報告

第3回
開催日 2009年8月6日 セミナー: 14:00 〜 16:40 懇親会: 17:15 〜 19:30 [希望者のみ]
テーマ 「翻訳分野のクロス化 〜映像翻訳と実務翻訳の相乗効果〜」
講演者 山下 奈々子(やました・ななこ)氏
株式会社ワイズ・インフィニティ 代表取締役
概要 これまでまったく別のクライアントを対象として、それぞれの専門分野に特化してきた実務翻訳会社と映像翻訳会社だが、昨今のメディアミックス化に伴い状況が大きく変化してきている。実務翻訳に映像を取り入れたいと考えるクライアントが増加しているのだ。当社においても、実務を専門としている翻訳会社さんから、字幕翻訳あるいは吹き替え制作についてのお問い合わせをいただくことが増えた。そこで、映像翻訳の概要、作業工程、映像翻訳を受注あるいは発注するうえで必要な情報などを提供したいと思う。

【対象】
○翻訳会社の方。特に、実務分野が専門で、これから映像翻訳の受注を拡充していきたいと思っている翻訳会社の方。
○映像翻訳に興味がある翻訳者の方。

【講師略歴】
高校卒業と同時にアメリカ・バージニア州の大学に留学。
帰国後、英会話講師を経てフリーランス映像翻訳者になる。
1980年代のビデオの普及に伴い、日本未公開映画、テレビドラマなどの英日字幕翻訳を手掛けるとともに、放送翻訳者としてテレビの報道番組、バラエティ番組などの翻訳にも携わる。
その後2000年2月に会社設立。
映像翻訳会社として字幕翻訳・放送翻訳に特化。
翻訳者養成のためのスクール事業も展開している。
取り扱い言語40以上。

2009年度 第3回JTF翻訳セミナー報告

 山下氏は、英会話講師を経てフリーランスの映像翻訳者となり、2000年に株式会社ワイズ・インフィニティを設立した。
 今回の講演では、映像翻訳の概要、作業工程、映像翻訳を受注あるいは発注する上で必要な情報について語った。

●映像翻訳とは
 映像翻訳は2種類に分けられる。外国の映画やDVD、テレビドラマを視聴者用に翻訳する「字幕・吹き替え翻訳」。もう一つは、TV のニュースやバラエティー番組などで外国人が話したことを編集者用に翻訳する「放送翻訳」。どちらも現在では在宅での作業が可能であるが、放送翻訳はTV 局などの放送現場での作業となる場合もある。アメリカ同時多発テロ事件以降、稀少言語の翻訳依頼が増え、当社では現在40以上の国や地域の言語をカバーしている。
 最近ではエンターテイメント以外にも、企業の社員教育用マニュアルDVD や宣伝用(販促用)DVD、企業のホームページ上の社長のメッセージなどの映像、美術館などで流す字幕付き映像、ホテル客室用案内映像などの翻訳依頼も多くなってきた。
 今まではそれぞれの専門分野に特化してきた実務翻訳会社と映像翻訳会社だが、昨今のメディアミックス化に伴い状況が大きく変化してきている。実務を専門とする翻訳会社から、字幕翻訳あるいは吹き替え作成についての問い合わせが増えており、映像翻訳と実務翻訳は切り離せなくなってきていると感じる。

●受発注時の注意点
 せっかくお問い合わせいただいても、必要な情報が足りないため見積もりができないことがある。見積もりに必要な情報とは、「原語とターゲット言語」、「字幕か吹き替えか」、「素材の種類」、「素材の状態」、「納品媒体」、「映像の長さ(尺)」、「文字起こし原稿の有無」など。
 「吹き替え」の場合、声の種類だけ声優が必要となるため、ナレーションのみか、複数人かの情報が必要となる。その他にも、性別、年齢層、英語でも米語か英語かの情報も必要である。
 「素材の種類」とは媒体がDVD やビデオなのか、ネット上の映像ファイルかなど。
 「素材の状況」はTC(タイムコード)が入っているか、生映像かなどである。素材の状況によっては作業の手順が大きく変わってくる。例えば、“ナレーションとBGM がMIX されている映像”の場合、素材をそのまま使用できないため、ナレーション収録と合わせて新たに選曲する必要がある。素材と同じ曲を希望されても、著作権の関係でそのまま使えないことも多い。“テロップが入っている”素材の場合、テロップを消すことはできないので、訳を上にかぶせるか併記するしか方法がない。“TV 信号方式” も、日本・アメリカ・韓国などで使われているNTSC と、ヨーロッパなどで使われているPAL・SECAM の3種類があるので確認してほしい。また“DVD のリージョンコード”も注意が必要である。日本のリージョンコードは2だが、ほかの地域でも見られるようにするためにはリージョンフリーに設定しなければならないからだ。
 「納品媒体」とは、映像に字幕を焼き付けて提出や、DVD に焼いて提出、Web に載せられるファイル形式で提出するなどがある。納品時にDVD で提出する場合でも、5分ごとにチャプターを入れるやPC でも見られる形式でなど、詳細な希望が異なるので確認していただきたい。
 「映像の長さ(尺)」は、同じ60分の映像でも、1本で60分の場合もあるが、15分が4本や、1分が60本など、映像が分かれている場合もある。

●感想
 山下氏は「愛ある経営」を心がけているとのこと。愛とはすなわち関心を持つことだそうで、消費者・取引先・社員・社会に対して関心を持つことだそうだ。だから世界的な不景気で映像翻訳業界が厳しい状況でも、「こういう時期こそ、1つ1つの仕事を丁寧にやっていく必要がある。今は種まきの時期だと思っているので、人材育成や携帯のコンテンツ翻訳などの新しい分野を開拓する必要も感じている」という前向きな言葉がでてくるのかなと思った。

報告者:津田 美貴(個人翻訳者)


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