nazma │ 2010年7月22日 00:42 │
「日本語表記スタイルガイド項目別比較一覧表」(和訳用) ソフトウェア企業編 comparison_table.htm
JTF標準スタイルガイド検討委員会およびご協力いただいている各社のご尽力により、上記の一覧表が公開されましたのでお知らせします。当フォーラムでのディスカッションにご活用ください。
この比較表は、JTFの標準日本語スタイルガイド検討委員会が大手ソフトウェア会社の協力を得て、各社のスタイルガイドを項目別にまとめたものです。
今回、特にソフトウェア企業の方にご協力をお願いしたのは、外資 IT 企業の多くが、充実した翻訳用のスタイルガイドをお持ちなので、JTF推奨『日本語標準スタイルガイド』を作る際の参考にしたいと考えているからです。
実はこの比較表作り、予想外に時間のかかる大変な作業でした。
まず表の一番左の項目をリストアップして整理するのに苦労しました。将来、標準スタイルガイドを作ることになったらどんな構成になるだろうか、と想像しながら、各社のスタイルガイドから項目を拾っていきました。
項目を決めたら、各社のスタイルガイドから該当するルールを見つけて、入力する作業を始めました。このとき、何人かで手分けして入力していたら、自然に表記スタイルが不統一になったので、あわてて「スタイルガイド比較表作成スタイルガイド」(笑)を作りました。
・かっこは全角 ・「かっこ」は「かっこ」○、「括弧」×、「カッコ」× …… などと決めていきました。いやはや、大変でした。
この表の項目をすべて標準スタイルガイドに含めたら多すぎるかもしれないと思っています。不要な項目はどれでしょうか。逆に、必要な項目で欠けているものはないでしょうか。
いっそのこと、翻訳用の日本語スタイルガイドは必要ないでしょうか。テクニカルライティング用のスタイルガイドブックがあれば、十分でしょうか。翻訳用の日本語スタイルガイドが必要だとしたら、その基本的な役割は何でしょうか?
正直に言って、JTFのスタイルガイド委員会内でも意見が固まっているわけではありません。いろいろなご意見を参考にしたいと思っています。よろしくお願いします。
> 翻訳用の日本語スタイルガイドは必要ないでしょうか。テクニカルライティング用のスタイルガイドブックがあれば、十分でしょうか。
本来なら、翻訳者にもテクニカルライティングの素養があるべきで、その意味ではテクニカルライティングのスタイルガイドブックもひととおり把握しておくべきだと思います。その場合、現時点では TC 協会の『日本語スタイルガイド』が最適(少なくとも手頃)かと思います。
その内容を踏まえたうえで、では翻訳用の日本語スタイルガイドとして本当に必要十分な項目は何なのかを洗い出す......というのが正攻法かもしれませんね。
そう言いながら、実はこの『日本語スタイルガイド』、自分はまだ持っていないんでした。いい機会なので、購入して通読してみます。翻訳用のスタイルガイド作成に必ず役立つはずなので。
TC協会の『日本語スタイルガイド』が届きました。
目次はこうなっています。
-------------------------------------------------- 第1編 文書作成における説明技術 1章 さまざまな実用文 2章 日本語スタイルガイドとテクニカルライティング技術 3章 文書として仕上げるテクニカルコミュニケーション技術
第2編 日本語スタイルガイド 1章 文法、用字・用語、表記を理解する 2章 読みやすく書く 3章 誤解されないように書く
第3編 テクニカルライティング技術の要点 1章 情報理解に基づきコンテクストを組み立てる 2章 読み手のことを考えたライティング 3章 文書の完成度を高め安定させる
第4編 テクニカルコミュニケーション技術の基礎 1章 表現設計の基本を知る 2章 構造化に配慮して文書を設計する 3章 ツールを活用して作業効率を高める 4章 コンプライアンスに配慮する
付録 漢字とひらがなの使い分け 外来語(カタカナ)表記ガイドライン TC技術検定について TC技術検定3級試験例題 --------------------------------------------------
翻訳スタイルガイドに直接関連するのは、第2編の1章 だと思いますが、そのほかの「読みやすくする工夫」についての内容も、スタイルガイドによっては指定されているものがありますね。
これから熟読して、翻訳スタイルガイドに必要な内容の整理につなげてみます。
『日本語スタイルガイド』は、SINAPS Forumの「参考文献・資料」のページでも紹介しています。 http://www.amazon.co.jp/dp/4902820021/ TC協会の方のお話によると、この手の本にしてはよく売れているそうです。
この本は、産業翻訳者が文章作成の基本をあらためて勉強するには絶好の参考書です。特に第2編の2章と3章は、とても参考になります。
一方で、文章表現統一のためのガイドラインの中には、翻訳された文章に適用できないものもあります。たとえば、第2編3章に「3.1.1 否定的な表現は使わず、肯定文で書く」(82ページ)とあり、否定表現を使った例文が×(不適切)で、それを肯定文に書き換えた例文が○(適切)と紹介されています。
翻訳の場合には、訳者が推測で否定文を肯定文に変えると文意が変わる場合や、原文に書かれていない情報を追加してはならないことがあるので、「肯定文で書く方がよい」とは一概に言えないと思います。
TC協会では、「日本語スタイルガイド対応ATOK・JustRight!データ集」を公開しています。このデータ集には、ATOKやJustRight!のユーザーが、TC協会発行『日本語スタイルガイド』に則した文章を書きやすくするための辞書等が入っています。 http://www.jtca.org/standardization/index.html
このデータ集のATOK用辞書を使うと、たとえば、「および」と入力したときの変換候補に、
及び <TCス:×>
と表示されるようになって、TC協会のスタイルガイドでは漢字表記の「及び」が使用不可であることがわかります。辞書にはカタカナ語も含まれます。TC協会のスタイルガイドでは長音付きを推奨しているので、「コンピュータ」と入力すると、
コンピュータ <TCス:×>
と表示されます。辞書はカスタマイズ可能です。
Copyright(c) Japan Translation Federation. All rights reserved.
この比較表は、JTFの標準日本語スタイルガイド検討委員会が大手ソフトウェア会社の協力を得て、各社のスタイルガイドを項目別にまとめたものです。
今回、特にソフトウェア企業の方にご協力をお願いしたのは、外資 IT 企業の多くが、充実した翻訳用のスタイルガイドをお持ちなので、JTF推奨『日本語標準スタイルガイド』を作る際の参考にしたいと考えているからです。
実はこの比較表作り、予想外に時間のかかる大変な作業でした。
まず表の一番左の項目をリストアップして整理するのに苦労しました。将来、標準スタイルガイドを作ることになったらどんな構成になるだろうか、と想像しながら、各社のスタイルガイドから項目を拾っていきました。
項目を決めたら、各社のスタイルガイドから該当するルールを見つけて、入力する作業を始めました。このとき、何人かで手分けして入力していたら、自然に表記スタイルが不統一になったので、あわてて「スタイルガイド比較表作成スタイルガイド」(笑)を作りました。
・かっこは全角
・「かっこ」は「かっこ」○、「括弧」×、「カッコ」×
…… などと決めていきました。いやはや、大変でした。
この表の項目をすべて標準スタイルガイドに含めたら多すぎるかもしれないと思っています。不要な項目はどれでしょうか。逆に、必要な項目で欠けているものはないでしょうか。
いっそのこと、翻訳用の日本語スタイルガイドは必要ないでしょうか。テクニカルライティング用のスタイルガイドブックがあれば、十分でしょうか。翻訳用の日本語スタイルガイドが必要だとしたら、その基本的な役割は何でしょうか?
正直に言って、JTFのスタイルガイド委員会内でも意見が固まっているわけではありません。いろいろなご意見を参考にしたいと思っています。よろしくお願いします。
> 翻訳用の日本語スタイルガイドは必要ないでしょうか。テクニカルライティング用のスタイルガイドブックがあれば、十分でしょうか。
本来なら、翻訳者にもテクニカルライティングの素養があるべきで、その意味ではテクニカルライティングのスタイルガイドブックもひととおり把握しておくべきだと思います。その場合、現時点では TC 協会の『日本語スタイルガイド』が最適(少なくとも手頃)かと思います。
その内容を踏まえたうえで、では翻訳用の日本語スタイルガイドとして本当に必要十分な項目は何なのかを洗い出す......というのが正攻法かもしれませんね。
そう言いながら、実はこの『日本語スタイルガイド』、自分はまだ持っていないんでした。いい機会なので、購入して通読してみます。翻訳用のスタイルガイド作成に必ず役立つはずなので。
TC協会の『日本語スタイルガイド』が届きました。
目次はこうなっています。
--------------------------------------------------
第1編 文書作成における説明技術
1章 さまざまな実用文
2章 日本語スタイルガイドとテクニカルライティング技術
3章 文書として仕上げるテクニカルコミュニケーション技術
第2編 日本語スタイルガイド
1章 文法、用字・用語、表記を理解する
2章 読みやすく書く
3章 誤解されないように書く
第3編 テクニカルライティング技術の要点
1章 情報理解に基づきコンテクストを組み立てる
2章 読み手のことを考えたライティング
3章 文書の完成度を高め安定させる
第4編 テクニカルコミュニケーション技術の基礎
1章 表現設計の基本を知る
2章 構造化に配慮して文書を設計する
3章 ツールを活用して作業効率を高める
4章 コンプライアンスに配慮する
付録 漢字とひらがなの使い分け
外来語(カタカナ)表記ガイドライン
TC技術検定について
TC技術検定3級試験例題
--------------------------------------------------
翻訳スタイルガイドに直接関連するのは、第2編の1章 だと思いますが、そのほかの「読みやすくする工夫」についての内容も、スタイルガイドによっては指定されているものがありますね。
これから熟読して、翻訳スタイルガイドに必要な内容の整理につなげてみます。
『日本語スタイルガイド』は、SINAPS Forumの「参考文献・資料」のページでも紹介しています。
http://www.amazon.co.jp/dp/4902820021/
TC協会の方のお話によると、この手の本にしてはよく売れているそうです。
この本は、産業翻訳者が文章作成の基本をあらためて勉強するには絶好の参考書です。特に第2編の2章と3章は、とても参考になります。
一方で、文章表現統一のためのガイドラインの中には、翻訳された文章に適用できないものもあります。たとえば、第2編3章に「3.1.1 否定的な表現は使わず、肯定文で書く」(82ページ)とあり、否定表現を使った例文が×(不適切)で、それを肯定文に書き換えた例文が○(適切)と紹介されています。
翻訳の場合には、訳者が推測で否定文を肯定文に変えると文意が変わる場合や、原文に書かれていない情報を追加してはならないことがあるので、「肯定文で書く方がよい」とは一概に言えないと思います。
TC協会では、「日本語スタイルガイド対応ATOK・JustRight!データ集」を公開しています。このデータ集には、ATOKやJustRight!のユーザーが、TC協会発行『日本語スタイルガイド』に則した文章を書きやすくするための辞書等が入っています。
http://www.jtca.org/standardization/index.html
このデータ集のATOK用辞書を使うと、たとえば、「および」と入力したときの変換候補に、
及び <TCス:×>
と表示されるようになって、TC協会のスタイルガイドでは漢字表記の「及び」が使用不可であることがわかります。辞書にはカタカナ語も含まれます。TC協会のスタイルガイドでは長音付きを推奨しているので、「コンピュータ」と入力すると、
コンピュータ <TCス:×>
と表示されます。辞書はカスタマイズ可能です。