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JTF翻訳祭 翻訳祭企画実行委員会

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第14回JTF翻訳祭報告

翻訳者・翻訳会社・翻訳発注企業のためのJTF翻訳祭【主催:翻訳業界団体の日本翻訳連盟】

「日本発世界へ」 〜海外への情報伝達が日本経済浮上の鍵〜

【講演1】 日本発・心を癒す贈り物― グレッグ・アーウィン 氏―

講演写真1日本との最初の出会いは、13歳のときに学校の図書館で見つけた日本の写真集。庭園や着物の写真にカルチャーショックを受けました。その後、大学時代に人力車のアルバイトで日本人観光客の優しさに感動したこともあり、日本にホームステイ。日本のことをもっと知りたくなり、アメリカに戻って大学で日本語を専攻。そこで、小説や短歌を英訳する授業を通して、初めてまともに日本の文学に触れ、特に、短歌に描かれている気持ちに感動し、それを英語で伝えたいと思うようになりました。また、日本映画の授業で黒澤明の『生きる』を見て、人生観が変わるほどの感銘を受け、再び日本へ行くことを決意。日本に戻り、英語教師として働く傍らDJ・歌手の仕事をしていく中で、知り合った英語教材プロデューサーに依頼され、童謡の英訳を始めました。
日本の童謡には、自然・故郷を愛する心や家族愛のような万国共通の気持ちが含まれており、それはこの世界に対する日本の美しいメッセージだと思いますが、外国ではほとんど知られておらず、日本でもあまり歌われなくなっていることはとても残念です。また、日本の童謡には、聴いた人を優しい気持ちにさせる不思議な力があります。それは、今の時代にとても必要なものではないでしょうか。こういった童謡を英訳し、外国にも日本の心をもっと伝えていきたいと思っています。
童謡を英訳する際、英語の歌としては自然に韻を踏まなければならないため、そのような制約がある中での言葉選びに一番苦労します。他にも、英語の単語が日本語の単語の持つイメージからかけ離れたものであった場合、どのように英語で美しい歌詞にするかということも、かなり苦労する点です。日本語の詩を大切にしつつ、その作詞の心を英語でうまく伝えられるよう、言葉を非常に大事にしながら訳しています。全てが具体的に書いてあるわけではなく抽象的なところが日本の詩の美しさであり、人によって解釈が様々でおもしろいですが、英語のわかる人が童謡を聴いて日本人と同じように感動できるようにするには、大変な苦労が必要です。
自分も翻訳の苦労がよくわかるので、翻訳者の方たちにはぜひ頑張って欲しいと思います。ただ漫然と仕事だからといってやるのではなく、自分自身で達成感を感じられて思い出に残るような翻訳をしていけるといいですね。

【講演2】 「世界同時発スピード経営」― キャノン(株) 畠中 伸敏 氏 ―

講演写真2 日本のような資源に乏しい国は、製品を次々と出していかなければ地盤沈下は必至です。また、経済の変化の大きな流れに対応できない企業は必然的に脱落するでしょう。このような背景のもと、キヤノンでは課題の一つとして「スピード経営」を掲げ、機械翻訳の導入が大きい成果を上げています。
翻訳ビジネス自体は確実に活性化しています。たとえば、複写機などのマニュアルは、まず日本国内で英語などに翻訳してから、海外の各ブランチに送ってヨーロッパ諸言語に翻訳しており、一方、世界各地から24時間アクセスのあるウェブサイトには製品に関する情報を掲載しています。こういった国内からの多言語翻訳による情報発信の拡大を見ると、翻訳をもとにした日本からの情報発信の流れは今後ますます進んでいくものと考えらます。
キヤノンが初めて機械翻訳を導入したのは1989年。当初は、操作が面倒なうえに、翻訳結果の精度も非常に悪く、とても使えるものではありませんでした。その後、パソコンやインターネットの普及、インターフェースの大幅な改良、辞書や語法などのデータ拡充により、翻訳の性能自体がかなり向上したため、90年代後半以降、キヤノン社内における機械翻訳の利用者が大幅に増大。現在では、複写機のサービスマニュアルのような表層的で主観的表現のない自然現象的な文章であれば、データ化された過去訳の文体・文法をもとに必要な語彙を絞り込み、さらに言葉の連鎖に関する情報を持った共起辞書を活用することで、なんとか翻訳できるレベルまでに至っています。
この機械翻訳の使用の拡がりは、対象とのインタラクティブなコミュニケーションを通して、多くの人たちが必要な情報を即時的に得られるようになったということであり、非常に大きい成果です。特に、企業の革新の問題とは新しい技術をいかに早く拡散していけるかという命題でもあるため、技術者が海外の文献にアクセスして必要な情報をすぐに得られることは、多大な恩恵をもたらします。この機械翻訳が、日本からの情報発信の大きな一助となっている以上、それをなおざりにしてしまうことは、日本のためにもなりません。もっとも、現状では機械翻訳のシステム自体が翻訳ビジネスにおいて商売として役立つとはちょっと考えにくく、人間が翻訳する量自体も、昔と比べて飛躍的に増えて来ているのも事実です。機械翻訳と人間翻訳との住み分けは今後も可能と考えます。

【パネルディスカッション】 The Translation Trinity

〜翻訳の頂上決戦 本音でトークバトル〜 翻訳祭

司会:林 秀厳氏 (株)フェロー・ネットワーク代表取締役、JTF 副会長
パネリスト:
石田 育秀氏 (株)日本総合研究所研究事業本部 新規事業戦略クラスター長
原田 節雄氏 ソニー(株)スタンダード戦略グループ ダイレクター
阿部 淳一氏 (株)エイブス代表取締役、 JTF理事
近藤 哲史氏 伝(株)取締役、JTF 理事
井口 耕二氏 実務・技術翻訳者、JTF 理事
森口 理恵氏 医学・薬学翻訳者、JTF 個人会員

翻訳祭風景2翻訳祭風景1「翻訳者」、「翻訳会社」、「ソースクライアント」という三者三様の立場のパネリスト6名が一同に会し、林氏の軽妙洒脱な司会進行のもと、忌憚のない闊達な意見・提言が繰り広げられた。
原田氏は、クライアントと翻訳側の間には埋めようのない考え方のギャップがあると率直に述べた。石田氏は、品質を最重視するうえで必要な納期や価格は惜しまないという姿勢であった。近藤氏は、ここ数年、クライアントから要求される翻訳スピードが対応能力の限界に近づきつつあり、また翻訳者が翻訳にかける時間を単価で決めているような雰囲気があるとした。これを受けて井口氏は、納期を守るためには、仕事依頼の予告などクライアント側の協力も必要であるとした。また、翻訳単価が低下している昨今、品質に頓着せず効率重視で仕事をこなす翻訳者が増えていると述べた。
後半になり、阿部氏から、現在の価格体系では翻訳会社も翻訳者も十分な利益をあげるのは厳しいとしたうえで、JTFによる業界全体の改善に向けた働きかけが必要との提言がなされた。森口氏からは、翻訳会社への要望として、翻訳者を育てる意識を持ち、クライアントの要望の伝達やフィードバックを徹底して欲しいとの意見が出された。井口氏も、品質を上げる努力をすれば自然にスピードも上がるのだから、長期的な視点で翻訳者を育てていくべきだと提言した。
クライアントから翻訳会社へ要求としては、単価を引き上げる場合、その根拠をクライアントが納得できるように説明できるかどうか(原田氏)、会社としてのキャパシティや、いざとなったときの対応能力(石田氏)などが挙げられた。

【会長挨拶】勝田 美保子 JTF 会長

会長挨拶写真翻訳業界の認知度を一層高め、日本の産業界の中で確固とした
地位を築いていくのがJTFの最も重要な使命です。

 

【翻訳プラザ】

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