東 郁男 JTF会長、(株)翻訳センター 代表取締役社長
平素は日本翻訳連盟の活動に対して、ご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。 また、3月11日に発生した東日本大震災において、被災された多くの皆様には謹んでお見舞い申し上げ、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
さて日本経済は、2008年後半に発生した国際経済の急激な変化により、未曾有の不況に見舞われ、低迷を続けておりましたが、2010年後半からは政府の景気対策や各企業のコスト削減努力が功を奏し、徐々に回復の兆しをみせつつあります。 この未曾有の不況は、「景気に左右されにくい」と言われていたわが翻訳業界にも大きな影響を与えました。企業の設備投資の抑制やコスト削減など、景況感に連動した企業の生き残り対策が発注量の減少や価格競争の激化を招き、業界はじまって以来の厳しい状況を強いられましたが、景気の回復に伴う企業の事業活動の活発化により、わが業界も持ち直しの動きがみられました。が、しかし、先に発生した東日本大震災により、回復色が鮮明になりつつあった国内景気は、一転して不透明感が増しております。
当業界は日本企業、外資系企業のグローバル展開に必要なドキュメントの翻訳という点から長く貢献していると自負しておりますが、今後は大企業に加えて中小企業のグローバル展開の加速も予想され、その重要性はますます高まっていくものと思われます。当連盟はクライアント・翻訳会社・個人翻訳者の三つの立場が共存する、他の業界にはない異色の業界団体として、現在まで成長を続けてまいりました。しかし、先に述べた本業界の重要性を鑑みたとき、当連盟に課せられた任務は多大なものであるといえます。日本経済のグローバリゼーションを根底から支え続けている「翻訳」という職種の一般社会への浸透、それに伴う業界自体の認知度向上など、当連盟の課題は、そのまま業界全体の課題に繋がるといっても過言ではありません。
日々刻々と状況が変化していく現在、また、震災の影響が次第に表面化する中で、当連盟もこれまでの活動をさらに充実・発展させ、日本国内だけに留まらず世界経済の発展という遠大な目的のもと、クライアント・翻訳会社・個人翻訳者の円滑な関係維持ならびに共存共栄を目指していきたいと考えております。
皆様方の引き続きのご支援、ご協力をいただきますよう、心よりお願い申し上げます。
