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JTF翻訳セミナー(東京) JTF関西セミナー(大阪)

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2005年のJTF翻訳セミナー活動報告

第1回
開催日 2005年6月14日 セミナー: 14:00 〜 16:40
テーマ 「新人歓迎:翻訳会社から見た『取引したい翻訳者像』を知ろう」
講演者 金子るり子
株式会社ソク訳 代表取締役
概要 国内大手企業や研究機関、海外優良企業など多数のクライアントを抱えて急成長を遂げている株式会社ソク訳代表取締役の金子るり子氏が、自らの経験に基づいて「取引したい翻訳者像」について実例を交えて解説する。
高い評価を得て第一線で活躍する翻訳者は他の翻訳者との差別化のために様々なことを行っているが、その手法を翻訳会社の立場から説明する。またトライアルの採点基準について翻訳会社の視点からの解説を行う。
トライアルに合格してプロの翻訳者になることを目指す方には審査基準を知ることが合格のための貴重な機会となるだろう。

⇒金子氏の翻訳セミナーをDVDで受講できます

【講師略歴】
株式会社ソク訳 代表取締役
・高校時代、アメリカ・マサチューセッツ州に留学
・上智大学ドイツ文学科在学中に、ドイツ・ケルン大学に留学。
・サイマル・アカデミーにて通訳・翻訳等を学ぶ。
・外資系企業及び、通訳・翻訳会社2社勤務
・2000年6月 有限会社ソク訳として独立
・2002年5月 株式会社に組織変更

2005年度 第1回JTF翻訳セミナー報告

 翻訳ビジネス環境を分析し、ベテランから初心者まですべての翻訳者が仕事の機会を得るための情報や提案を盛り込み、昨年度も大好評だったJTF翻訳環境研究会。その本年度第1回研究会が6月14日、赤坂翻訳会館にて開催された。
株式会社ソク訳代表取締役の金子るり子氏を講師に迎え、<新人歓迎:翻訳会社から見た「取引したい翻訳者」を知ろう>というテーマで講演が行われた。翻訳会社に勤務し、翻訳会社やコーディネーター、また翻訳者のやりとりの中でそれぞれの立場および状況を見てきた経験を持つ金子氏は、(株)ソク訳における実例を交えて語った。

◆あなたは「取引したい翻訳者」?
 翻訳会社が今求めている翻訳者とは何だろうか。いくら翻訳の実力を持っていても常に仕事が来るとは限らない。しかし金子氏は、「できる翻訳者」ほど他の翻訳者と差別化して自分を売り込む方法を身につけている、と述べた。

◆「できる翻訳者」に見られる要素
 翻訳そのものにセンスや丁寧さ、工夫などが加わった「上質な翻訳(商品)」言語のプロとしての意識。より良い仕上がりのために提案する力も周辺情報の調査力やサービス精神などそれぞれの点が具体的な事例を用いて解説され、会場を占める翻訳学習者たちは大変熱心に聞き入っていた。また、出席した翻訳会社関係者らにより各社の‘取引したい翻訳者像’、‘活躍する翻訳者に見られる要素’などが討議され、一般的にやはり上記のポイントが重要であることが分かった。逆に、質の向上を怠る、納期を守らないなどプロとしての意識に欠ける態度を示す翻訳者はどの会社にとっても「取引したくない翻訳者」となってしまう。

◆画期的なシステム
 (株)ソク訳では「同じ料金を払っても、実際どんなレベルの翻訳者が担当してどのように仕上がるかは納品後にしか分からない」という依頼側の不満、また翻訳者側にすれば「経験を積んだベテランでも料金的差別化が余りなされない」という業界の現状から脱すべく、クライアントによる翻訳者指名制度という画期的なシステムを採用している。それにより、事前に明確に示される翻訳の質が依頼側の安心材料となり、翻訳者は自分の評価を高めようと目標意識を持つようになるといった効果を上げているという。翻訳会社が、品質重視に力を入れるために翻訳者、クライアントの双方と如何にしてコミュニケーションをとっていくかを常に考えている姿勢には心強さを感じた。

◆敵(トライアル)を知ることが重要
 採用基準となるトライアル。その作成と採点基準についても、金子氏は自社の例を挙げて解説した。専門用語を押さえていること、正確さ、商品性、表現力など多項目による評価は多くの翻訳会社に共通のようである。ただ、用語を押さえていても商品力がないと採用するのは難しくなる。内容や分野によって訳調を使い分ける器用さも必要かもしれない。「欲しい人材」=即戦力となる翻訳者なわけだから、各要素をバランスよく満たしている必要があるのだ。仕事獲得を願う翻訳学習者は、トライアルに受かる秘訣や有利な資格・スキルなどばかりに目が行きがちかもしれないが、このように採用の側の視点を知ることによって、「採用側の目に留まる翻訳者にするため、自分に必要なのは何か?」という一歩前進した動機を持つことができるのではないだろうか。

 翻訳業界が全体として厳しい状況が続いているといわれる中でも、「強みを持つ翻訳」にはもっと価値を持たせていこうとする動きがあることも感じられた。キラリと光る翻訳者にどうしたらなれるのか?という疑問に一つの答えが見いだせたような気がした研究会であった。

⇒金子氏の翻訳セミナーをDVDで受講できます

報告者:大西 詠子(個人翻訳者)


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