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2004年のJTF翻訳セミナー活動報告

第1回
開催日 2004年6月15日
テーマ 【通算82回】
「新人歓迎:翻訳業界が求める翻訳者の素質」
講演者 工藤 浩美氏(株式会社テンナイン・コミュニケーション 代表取締役)
概要 新進エージェントとして、名実ともに実績を重ねるテンナイン。現在、約1000名の通訳・翻訳スペシャリストを登録。翻訳業務の機微を知りつくした工藤氏は、誠実で向上心に富み、磨けば光る素質のある新進翻訳者を積極的に採用し育成することを同社の重要な経営方針としている。
今回は、とくに同社のトライアルを受験する方法を示しながら、参加者との意見交換を通じて、翻訳業界が求める翻訳者の素質を定義するので、リピートオーダーを確保するコツも学べる。

【講師略歴】
【概要】
新進エージェントとして、名実ともに実績を重ねるテンナイン。現在、約1000名の通訳・翻訳スペシャリストを登録。翻訳業務の機微を知りつくした工藤氏は、誠実で向上心に富み、磨けば光る素質のある新進翻訳者を積極的に採用し育成することを同社の重要な経営方針としている。
今回は、とくに同社のトライアルを受験する方法を示しながら、参加者との意見交換を通じて、翻訳業界が求める翻訳者の素質を定義するので、リピートオーダーを確保するコツも学べる。

2004年度 第1回JTF翻訳セミナー報告

【講師略歴】
1962年、長崎県生まれ。
白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
結婚を機に退職。その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。
通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。
2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立、代表取締役に就任。
年間150名以上の通訳者/翻訳者とのインタビューを通して、スキルの評価及びキャリアアドバイスを行なっている。趣味はシナリオ執筆。
●翻訳コーディネーターとは?翻訳者との関係は?
 通訳・翻訳コーディネーターとしての10年以上の経験を持つ工藤氏は、翻訳コーディネーターの仕事を、品質・進行管理、営業活動、請求業務の4つに明確に定義した。この役割を認識した上で、翻訳者は、一つの翻訳プロジェクトの一員と自覚して、ビジネスマナーをわきまえ、翻訳コーディネーターとコミュニケーションをとりながら良好な関係を築くことが望ましい。

●翻訳業界が求める翻訳者の素質
 翻訳に求められているのは、高品質(誤訳、訳抜け、誤字・脱字なし+日本語としての文章力)と高度な専門知識だけではない。現在はこれらに加え、インターネット/辞書/図書館/関連機関への電話確認などの調査能力、ワードなどのソフトを使用した編集・加工能力など、翻訳=サービス業という認識をより明確に示すものが必要となる。また、連絡がすぐにとれること、一定のスピードで翻訳作業が行えること、そしてきちんとしたスケジュール管理(翻訳作業時間、見直し時間、納期)も求められている。

●翻訳者としての危機管理
工藤氏は、フリーランス翻訳者ならば、「自分1人で会社を運営している」くらいのつもりの危機管理が大切、と言う。「データが命」の翻訳に、コンピュータのメンテナンス/データのバックアップはもちろん、複数のエージェントから仕事を請け、1つの仕事による収入を全体の売上の2割程度に向けることで、「金銭」面での危機管理も行うようにする。言うまでもなく、身体が資本の翻訳者ゆえ、健康管理も大切である。

●時代に合わせた翻訳を!
現代の翻訳業界の傾向の一つに「短納期」がある。翻訳のスピードを上げて高品質を保つことは容易ではないが、経験上多くの翻訳者を見てきた工藤氏によれば、
1)今の自分の翻訳スピードを把握する、
2)辞書を引かない、
3)集中力をつける、
4)音声入力がスピードアップのキーワードとなる。
また、翻訳業界の分野も景気の動向に左右されている。バブル期の「不動産」関連は少なくなり、代わりにIT、医療、バイオなどの需要が現在多くなっている。この変化はベテラン翻訳者も安泰でないことを意味し、これから翻訳を目指す人たちも含め、景気の動向を考慮し、今後需要が増えそうな分野に加え、翻訳者の少ない分野を狙うことが、仕事の受注へとつながる。

●ネガティブフィードバックに強くなる!
 工藤氏は、クライアントからのクレームは99%翻訳コーディネーターの調整ミスであると認識する。その上で、翻訳者に対してネガティブフィードバックを行うのは、常に向上心のある翻訳者であればフィードバックを前向きに受け取り、今後さらに良い仕事をしようと心がけるようになるという狙いからである。

●翻訳者として仕事を得るための営業活動
 定期的にレジュメを更新しエージェントに送る、トライアルを積極的に受ける、また、自分の空いている日をエージェントに知らせる、クライアントに直接アプローチするなどの方法も自分を売り込むためには有効である。こうした「コミュニケーションの重要性」は、工藤氏自身のクライアント、翻訳者両者に対する心づかいに現れていた。

●翻訳を行う上での注意点
 翻訳は、翻訳コーディネーターとの共同作業である。それゆえ、翻訳を引き受けた翻訳者は、まず読者を意識した翻訳を行うために、翻訳の目的を聞き、また関連資料などを確認する。翻訳作業では、まず文字数を計算して予想仕上がり枚数を出し、自分の平均翻訳枚数と比べて納期までの作業時間等を確認する。原文全体を一読して内容を大まかに把握することも効率が良い。また、スケジュール管理には見直しの時間も含めることが望ましい。そしてフィードバックをもらうことで、今後の翻訳作業の品質をさらに高めることにもつながるだろう。

報告者:玉置 祐子
(個人翻訳者、日本通訳学会・翻訳理論研究会所属)


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